年も改まって3日目にもなると、暇を持て余してどうでもいいようなことをぐるぐると考えるようになります。たとえば…
あまり知られていないことですが、お仕事メールでおなじみの「お世話になっております」にたいした意味はありません。これって、飲みにいったときの「とりあえずビール」と同じです。
もちろん、会話で使われる場合も同じです。
だから、「お世話になっております」と言われた時に「お世話なんかしていませんよ」などと言い返さないのが大人です。
私は、中年に差し掛かったころ、同世代の公務員に真顔でそう言い返されたことがありました。一瞬ネタかと思って相手の顔を見ましたが、なんとマジでした。その時、私はその人を「変な人認定」しました。
今はもうその人との接点はありません。つまり、その人に対する私の印象は「変な人」のままになっています。
それはさておき、こういうあまり意味のない言葉をうまく使いこなせると、人付き合いが上手な人に見せかけることができます。
その代表格が「最近、どう?」です。
たとえば、会社でエレベーターに乗ったら、偶然知り合いに出くわしたような場合。
「最近、どう?」
いや「どう?」と聞かれても「最近」って範囲が広すぎて、なんのことを問われているのかわかりません。そもそも「どう?」ってなに?
でも、そう聞かれた時に「何のことっすか?」とか、「いや、どうと聞かれましても…」のように問い直してはいけません。この一見誠実な対応によって、あなたは「変な人」に堕ちてしまいます。
正しい返し方は、たとえばこうです。
「いやぁ、ばたばたしてます」
「もう、さっぱりですわ」
「ぼちぼちですね」
これらの返しは、意味の無い会話界で育まれた珠玉の言葉です。
決して無視せず適度な関心さえ示したようにみせて、かつ後を引かない。
まさに人類の英知が詰まっている、といえるでしょう。
それにしても、こうして考えると、やはり人間関係なんてほとんどの場合どうでもいいようなことで成り立っているのかもしれません。薄々気づいてはいましたが。
本年もどうぞよろしく(と、言ってみる)。