昨年4月に改正民法が施行され、成人年齢が18歳に引き下げられました。
この改正民法の施行後、初めての成人式が、今年行われます。
これまで成人式の対象年齢は、ほとんどの自治体でその年度に20歳になる(なった)新成人でした。成人式というからには、この年齢を法律の施行に合わせて18歳に引き下げるのがひとつの考え方です。しかし、今年についてはそうするところはごく少数のようです。
法務省「成人式の時期や在り方等に関する分科会(※)」の資料「令和3年度 各市区町村における成年年齢引下げ後の成人式の対象年齢」(令和4年4月1日発表)を見ると、今年の成人式を18歳(その年度内に18歳に達する人)を対象に実施すると回答した自治体は、全国で2自治体(北海道別海町、三重県伊賀市)しかありませんでした。また、この資料には出ていませんが、宮崎県美郷町は昨年8月に18歳を対象に成人式を行ったといいます。同町は「民法改正の施行に合わせて、その意味にのっとって」と理由を述べています。
ほとんどの自治体は、これまでと同様にその年度内に20歳に達する人を対象に成人式を行うと回答しています。
※成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議の下に設置。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00234.html
そこで、気になるのが「成人式」の名称です。法律上の「成人」が18歳になったのに、「成人式」の対象が20歳では居心地が悪く感じます。
これについて自治体のサイトを見て回ると、ほとんどのところが”ニ十歳の集い”など「成人式」の名称を変えていることがわかりました。役人的思考では、法律で18歳以上が成人とされたのに20歳の市民を集めて「成人式」では説明がつきにくいということなのでしょう。私が役人でもそう考えると思います。
さらに詳しく各自治体のサイトを見ていくと、それぞれ微妙に判断が異なっている様が伺えて面白かったです。
まず、多くの自治体では成人式の名称を”ニ十歳の集い”に変更していました。私が調べたところは、ほとんどがこれでした。今年のようなケースでは、役人は近隣自治体がどうするか、必ず調べます。したがって、このようにほぼ横並びになります。せいぜい、”集い”を”つどい”と開くかどうかが異なるぐらいです。この他、”はたちを祝う会”などアレンジしたものもありました。
一方で、ごく一部ですが今年も「成人式」のまま、名称を変えずに開催する自治体もありました。それはそれでひとつの見識だと思います。
あの甲子園球場で式典を開催する兵庫県西宮市は「ニ十歳のつどい(旧成人式)」と公式サイトに表示しています。西宮市では”(旧成人式)”まで加えているのが”文教都市西宮市”らしく、たまらなく丁寧だと思いました。
成人式は、ほとんどの自治体で1月8日、9日に開催されます。
あなたの地元自治体は、どんな名称をつけているでしょうか。