ゴーゴーカレーといえば、あの金沢カレーのゴーゴーカレーです。
ふつう、タイトルにカレー屋さんの名前があれば食レポです。
しかし、今回は違います。
今回お話したいのは、この店の存在について、です。存在。いやちょっと違うな。そんな哲学的なことじゃありません。なんていえばいいかな、この店と私の数奇な運命…。いやこれはもう完全に違う話しになってしまいます。
ということで、いきなり結論を書きます。
この「新橋駅前パーク店」、知っている人は知っている(日本語的には当たり前やな)、あの「ポンヌッフ」の跡地にあります。
え、ポンヌッフ(後半の音節を若干鼻に抜くと”らしい”雰囲気になります)をご存じない?
新橋の名店にして迷店。かき揚げそばを注文したらお好み焼きが載って出てきたと噂される(針小棒大です。それほど重量級のかき揚げでした)、あの豪快にして乱暴、大盛りにして無料トッピングありの、立ち食いそば屋です。2019年春、ごく一部の好事家に惜しまれつつ閉店しました。
その後「そば処かのや」が入ったもののほどなく閉店、次に来たのが、現在の「ゴーゴーカレー新橋駅前パーク店」です。
私、行ってきました。
このエントリーではじめて同地にゴーゴーカレーが入ったことを知った方は、口をそろえて「ウソ!?」とおっしゃるでしょう。あの場所にカレー屋が入るなんて考えられないからです。
なぜか。とんでもなく狭いんです。
立ち食いそばならなんとかなってもカレーは無理という、絶望的な狭さです。キッチンカーの方が広いぐらいのスペースしかありません。
その絶望的に狭い店内のほとんどを厨房が占めています。客席は7つ。お客は全員外を向いて窓下のカウンターにて座る絶妙の空間設計です。これなら後ろギリギリを他人が動いても気になりま…、いや、思い切り気になります。
横も袖どころか、肘が当たる間隔です。したがってお客は脇を占めて食べることになります。
ゴーゴーカレーといえば食券機ですが、これはもう店内に置けず外に置いています。安全面は治安のいいジャパンだから大丈夫ですが、見たところ普通のゴーゴーカレーと同じ機械なので防水仕様になっているか判りません。雨の日はどうするんだろう、と心配になります。
ここにゴーゴーカレーができているのに気づいた時、私はテイクアウト専門店だと思い込みました。しかし、窓に何人もの男の顔が並んでいるのを見つけました。
もしかして中で食べられるのか。おそるおそる覗くとカウンターに大柄な男性ばかりみっちりと並んでいました。
券売機で食券を買って店内を伺うと満席です。すぐに男性が一人かに歩きで出てきました。
入れ替わりに中にはいります。
食券を持ったまま席に座わって、料理ができると番号を呼ばれるので立ち上がって後ろを向いて受け取る仕組みです。
私の注文はもちろんメジャーカレーです(なにが”もちろん”なのかよくわかりませんが)。
提供されたのは、美味しく炊いたご飯に特徴的な濃い茶色のソース、揚げたてのカツにキャベツが添えられた、あの他店と変わらぬゴーゴーカレーでした。
実は私、ゴーゴーカレーのファンなんです。
これで東京に行ったときの楽しみがひとつ増えました。