お久しぶりです。
今日の昼食(大人の給食)はチキンチャップでした。
チキンチャップは、鶏モモ肉をソテーしてソースで少し煮たものです(たぶん)。
ソースはケチャップとウスターソースと玉ねぎ。それと秘密のなにかでできています。
いやー、美味しい。われらがシェフ、いい腕してます。
ところで、この「チャップ」というのはなんでしょう。
気になったので、なぜかそこにあった調理用語辞典(改訂版)を開いてみました。
そこには「豚の骨付き背肉」のことをチョップと呼ぶ、とありました。
さらに、インターネットで検索すると、チョップがなまってチャップになったとあります。
なるほど、なるほど。
では、みなさま。また次回の更新でお目にかかりましょう…。
…。否、待て。「節子その検索結果は鶏やない、豚や」
チョップとチャップ、ポークとチキン。
微妙にズレています。というわけで今度は英和辞典を引きました。
chop にはいくつもの意味があるようです。
そのうち、給食で皿に乗っていたのものに当てはまりそうなのは次の2つでした。
・ステーキより小さな肉
・ぶった切り
でも、なんだかすっきりしません。
なぜ「チョップ」がなまって「チャップ」になったのでしょうか。
結論を言います。「ポークチョップ」と「ポークチャップ」は別の料理です。
まず「ポークチョップ」。これは由緒正しいアメリカ料理です。
豚の骨付きロース肉を焼き、マデラソースで味付けするのが本式です。
マデラソースは、エシャロットのみじん切りなんかをバターで炒めてマデラワインを加え、ここにフォンドボーを注いで煮込んだソースです。マッシュルームなんかを加えると、いよいよ本格的です。最後に無塩バターを加えて仕上げます。
家で作るときは、エシャロットやマデラワインなんてしゃれた材料はだいたい無いので、玉ねぎのみじん切りと赤ワインを使います。赤ワインに砂糖を少し加えるのがコツです。コクが増して美味しくなります。また普通の家にフォンドボーがあることも稀なので、たいがいはブイヨンを1個入れて水を足します。これを煮たててソテーした豚肉にかけます。
出来上がりは、アメリカ料理なのにフランス風です。ボナペティ!
一方「ポークチャップ」は、日本の洋食です。
まず、豚肉を塩コショウして軽く小麦粉を付けます。
これと玉ねぎを強火で熱したフライパンに入れます。
豚肉に焦げ目がついたら弱火に落として肉の中に火を通します。
肉に火が入ったらトマトケチャップ、ウスターソースを加えて煮ます。
隠し味に醤油を垂らすといい感じになります。
ここに残り物のワインや日本酒などを入れると、なんだか料理している感も出ます。
スパイシーにしたい人は仕上げにタバスコを1、2滴入れるといいかもしれません。
完成したら、お皿にキャベツの千切りと一緒に盛り付けます。
アレンジとしてソースをほんの少しだけ焦がし気味にすると、いっそうご飯が進む一品になります。
ソースの焦がし過ぎに注意しましょう。たんと召し上がれ。
このポークチャップのソースは、チキンでも使えます。
チキンならチキンチャップになります。
これが給食に出ていたチキンチャップです。
「ポークチョップ」と「ポークチャップ」は別の料理。
ポークチャップは日本が生んだ「洋食」だった、というお話でした。