社会保障費の負担増から身を守る方法3つ(まじめに読まないで)

社会保障費とは、医療・年金・福祉などに充てられた費用をいいます。その総額は138兆7433億円にもなっています。財源は私たちが納める税金や社会保険料です。
※2021年度の社会保障給付費。国立社会保障・人口問題研究所の発表による。

この社会保障給付費、2020年度は132兆2,211億円でした。2021年度同様に高いですね。2020年度、2021年度といえばコロナ禍真っ只中なので、当然っちゃあ、当然です。ちなみに、まだ新型コロナ感染症の影響が無かった2018年度は121 兆 5,408 億円でした。これまでの伸び率から考えて、わずか3、4年で総額が約8%も上昇するとは思えないので、上に挙げた2020年度、2021年度は異常値だと思います。この2018年度あたりの金額+αが現在の平常値ではないでしょうか。
ところが、新聞各社は2021年度のデータを「過去最高を更新」の見出しを付けて大々的に報じています。各社は、増税や社会保険料負担増の後押しをしたいのかな、とかんぐってしまいました。

それはともかく、社会保障給付費がじわじわ上昇しているのは事実です。これからも上がり続けるでしょう。社会保障給付費が増えると、当然国民の負担も増えます。税金や社会保険料の負担が増すわけです。私たちはこれらから逃れることはできません。では、どうすればいいのでしょうか。その方法を考えてみましょう。

1.節約する
身もふたもない話ですが、まず取り組むべきは節約です。基本的には、エネルギーの無駄な消費を省くことが家計にも効いてきます。水道を出しっぱなしにしない、冷蔵庫の開閉を減らすなどの具体的行動が、節約マインドを育てます。このマインドが醸成されれば、あらゆるところで節約が進み、きっと光熱水費の差額以上のリターンが得られるでしょう。かつては電灯をまめに消す、というのもこれに含まれました。しかし、ほとんどの明かりがLED化した今では、あまり意味がなくなりました。
散髪は、あなたがモデルさんでなければ、例の「ヘアカット専門店」で充分です。あなたの時間とお金を大きく節約できます。だいたい家に帰って風呂に入れば効果がゼロになる洗髪にお金を払うのはまったくムダです。それに、毎日たくさんの人をカットしている「ヘアカット専門店」のスタッフは技量が安定していて安心です。
なにが言いたいのかと言えば、節約にはマインドと理屈の両方が必要だということです。
その意味で、食費を削るのは慎重にした方がいいと思います。病気になったらかえってお金がかかります。節約するなら外食を止めてできるだけ自炊にするなど、健康を維持できる方向に舵を切りましょう。いま病気を患っている人、その予備軍の人は、その治療や予防にかけるお金を削ってはいけません。ほとんどの場合、さらにお金が掛かるようになります。なにより、健康でいることが生きる上で一番大切です。

2.無駄を見直す
次は無駄の見直しです。暮らしを見回して、無駄な費用をかけているところを削ります。家計の支出は「生活必需費」「遊びのお金」「お小遣い」「税金」「それ以外の特別なお金」の5種類しかありません。この5種類の支出を「なぜ、そのお金を使う必要があるのか」という視点で見直します。
たとえば賃貸住宅に住んでいる人は家賃を見直してみるといいかもしれません。家賃が高いのは、だいたい広くて便利がいいところです。果たして、その広さの住居が必要か。またその利便性は必須なのかを考え直すと、案外安いところで充分だったりします。
また、クルマは所有しているだけでお金がけっこう掛かるので、思い切って手放すと家計が変わります。まったく個人的な例ですが、たびたび故障する古いBMWは、”愛人を囲っているのか”(知りませんが)と思うぐらい金喰い虫でした。エンジンが不調になって大修理を余儀なくされた時は、クレジットカードの引き落としに怯えましたが、手放した今では、そういうことはまったく無くなりました。ヤリスやデミオなど新しい国産のコンパクトカーだと、それほど目に見える支出の変化は無いかもしれません。その場合は、生活の利便性とのバランスで考えてみてください。
無駄の見直しが上の節約と異なるのは、生活水準に大きな影響を与えずにキャッシュフローを改善できることです。

3.もうひとつ収入を得る方法をみつける
もしかすると、これが本命かもしれません。なぜなら、家計に必要なお金をゼロにできない以上、縮小均衡の対策である節約やムダを省く方法にはおのずから限界があるからです。反対に、もし収入を増やすことができれば、その余地は上方に無限に広げることができます。
ここで収入を増やす方法を具体的に挙げられればいいのですが、残念ながらそれはわかりません。考え方としては、いまの仕事の延長で考えるか、まったく別のことをして稼ぐかのいずれか、もしくは両方ですが、これもケースバイケースとしか申し上げようがありません。
主観的なことを言えば、私はいまの仕事の延長もしくはその周辺で、もうひとつの収入を得る方法を考えた方が成功率は高いのではないかと思っています。それは、まったく新しい領域でゼロから積み上げるより、いまの知識、スキル、人脈などとのシナジーが期待できるからです。つまり、ゼロからのスタートではない分、成功率は高くなるということです。その上で、現在の仕事とどう位相をずらすか、というのがポイントになるのではないでしょうか。
たとえば、不動産の営業マンが住宅購入のコンサルタントとして開業する、企業の総務担当者が社会保険労務士の資格をとって開業を目指す、社会福祉施設の職員が福祉系専門職養成校の教員として教壇にも立つなどの形が考えられるでしょう。最後のは、やりがいだけはめちゃくちゃありますが、収入の点では「労多くして功少なし」の典型(ていうか、実質マイナスかも)なので、この項の主旨とは少し違うかもしれません(実話)。
この方法のリスクは、いまの仕事の延長で行うので、業界自体が傾くと両方の収入が同時に絶たれる可能性があることです。その意味では、まったく別のことをして稼いだ方がリスク分散できていいという見方もできます。いずれにしても、現在の仕事を損なわないのが前提なので、考えておかないといけないことは多いです。このブログではやみくもに副業を勧めるわけではありません。

今後、収入増は期待できないけれど税金や社会保険料の負担は増える一方だと思います。こうした状況で、どのように家計と暮らしを整えていけばよいか、これからも考えてみようと思います。

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