散髪しました。行ったのは、いつもの1,000円のところです。この店はこの価格帯のリーディングカンパニーで、個人経営のところと違って、切ってくれる人の当たりはずれが少ないので気に入っています。
今日は、これまでも切ってくれたことがあるbarberさんでした。顔に見覚えがあります。改めて名札を見ると「谷〇」さんとあります。手帳巻末の散髪ログ(過去に、いつ、どこで、誰にカットしてもらったかを一覧できるように記録しています)を見ると、5つ★の人でした。いま、ちょうど前の人をカットしています。ハサミの音がリズミカルです。期待できます。いや、期待してますよ谷〇さん。
店は空いています。店前に赤黄緑のサイン灯があって待ち時間を教えてくれる仕組みです。ランプは黄色でした。店内には入ると、外国人が2人待っています。スタッフは谷〇さんを入れて2人です。10分ほどで順番が回ってきそうです。
店に入って自販機で利用券を買います。かつては1,000円札しか使えずおつりも出ませんでした。最近は10,000円札も使えて、当然おつりも出てきます。地味に進化しています。私はこういう作り込みに気づくとうれしくなりです。席に座るとガラスごしに店前のランプが見えます。私が着席することで赤色に変わりました。席をずらすふりをして腰を浮かせると黄色に戻ります。おもしろいです。立ったり座ったりして点滅させてみたい衝動にかられましたが、迷惑だしみっともないので止めました。
鏡の前に案内されます。
利用券を谷〇さんに渡します。
眼鏡を預けて、席に座ると、谷〇さんが名乗ります。
「今日担当させていただく谷〇です」
はいはい、知ってますよ。お世話になるのは3回目です。よろしくお願いします。とは言いませんでした。軽く会釈します。
「今日はどうしますか」
―1か月分ぐらい切ってください。あとはお任せします。
「横は刈り上げますか」
―お願いします。できればバリカンでなくハサミで。
「わかりました」
女性とおしゃれ男子には意外かもしれませんが、男性の散髪前の会話はこの程度です。次に言葉を交わすのは切り終えた後の確認です。
谷〇さんは、前回の黒髪さんと違って盛大にスプレーして髪を濡らしからクシを入れます。どちらかというと、こちらの方が丁寧な感じです。ただし1,000円店ではカット後に髪をシャワーで流さないので、あまり濡らされると「掃除機」で吸い取れなくなってしまいます。どっちもどっちです。
さてカットは、その後右サイドから時計回りに切っていきます。このお店では全国どこでもこれです。
後頭部を回って左までスソを刈っていき、戻りながら真ん中らへんを切っていきます。
この後「今回も」申し訳程度に頭頂部にハサミをいれるとメインの工程は終わりです。ここまで一息に済ませます。
後は、スキバサミで横と後ろを何回かザクザクして、細かなところをバリカンで整えると完成です。
谷〇さんは、ハサミを置き、まるい鏡を手に取って後ろを見せながら、
「よろしいですか」
と言います。もちろん、よろしいです。
ていうか、散髪屋さんのお客でこの時にあーしてくれこーしてくれと言う人はいるのでしょうか。私は、「よろしいですか」「はい」がセットになった、いわばお作法のひとつだと思っているので、すなおにそう答えます。今回は、気持ちに偽りやわだかまりが無いのが幸いです。
この店の最大の美点は、ここまで10分以内であることです。
このために、顔そりも、先ほども書いたようにシャンプーもありません。
切る前の相談もごく短く、カット中、無駄におしゃべりすることもありません。
カットが終わったら、髪を掃除機のようなものでガーッと吸い取って終わりです。
この時、注意してみていると、谷◯さんも掃除機を巧みに使って手櫛でセットのようなことをしています。ありがたいです。
いつも時計も見ていますが、今日も店を出るまでおよそ10分間でした。夢のようです。
今回も気になったことを書いておきます。
前は、頭頂部ももう少し切ってくれたように思うのですが、最近は上に書いたように申し訳程度にハサミを入れるだけになりました。今日も同じです。そういえば、スキバサミも以前は頭頂部を訪れていたように記憶していますが、最近頭の上にそれが来ることが無くなりました。
いよいよ必要なくなってきたんだろうな、と思っています。
仕上がりは今回も5つ★でした。最後に書くと付けたしのようですね。すみません。
ところでこのいつもの1,000円のところは、ついに1,350円になりました。値上がりは財布に厳しいけど、個人的には納得しています。このリーディングカンパニーにして人手不足は免れていないようだからです。期間を決めて休業していると聞いたので、店長とおぼしき人に理由を聞くと「他の店に行っています」ということでした。
理美容店は必ず必要です。そこで働く人が集まらない理由が給与にあるとしたら、しっかりと手当できるだけの料金を支払い、受け取る必要があると思います。偉そうなことを書きましたが、私はここがもし2,000円になったら散髪の間隔を空けるかもしれません。
何を言っているのでしょうか。すみません。